著:山之口貘 版元:立案舎 P288 210㎜×138㎜ソフトカバー 2019年7月刊
沖縄生まれの詩人・山之口貘は、ある著名な医学博士からは「ぱあではないのか」と言われ、いつも貧乏暮らしをしていたが、それは人を笑わないために、人から笑われているようなものではなかったか。「精神の貴族」と呼ばれた詩人が遺した、詩や小説のアンソロジー。
【目次】
詩論「詩とはなにか」
・第一章 住所不定
晴天
天
杭
求婚の広告
若しも女を摑んだら
現金
唇のやうな良心
萌芽
立ち往生
自己紹介
食人種
大儀
無題
疲れた日記
妹へおくる手紙
賑やかな生活である
青空に囲まれた地球の頂点に立つて44
解体
夜
光線
生きてゐる位置
挨拶
無機物
マンネリズムの原因
食ひそこなつた僕
存在
僕の詩
数学
再会
来意
猫
転居
士族
鼻のある結論
襤褸は寝てゐる
上り列車
世はさまざま
血
天から降りてきた言葉
・第二章 結婚と暮らし
友引の日
思ひ出
畳
喪のある景色
生きる先々
曲り角
兄貴の手紙
土地1
土地2
土地3
疎開者
縁側のひなた
ミミコ
ミミコの独立
ヤマグチイズミ
闇と公
蠅
汽車
初夢
編上靴
常磐線風景
巴
親子
相子
たねあかし
税金のうた
借金を背負って
博学と無学
人の酒
ぼすとんばっぐ
借り貸し
影
彼我
珈琲店
右を見て左を見て
鹿と借金
自問自答
柄にもない日
萎びた約束
年越の詩うた
処女詩集
玄関
紳士寸感
芭蕉布
口のある詩
十二月
石に雀
首
酔漢談義
ろまんす・ぐれい
月見草談義
表札
かれの奥さん
十二月のある夜
ある家庭
首をのばして
桃の花
ひそかな対決
野次馬
・第三章 故郷沖縄
沖縄よどこへ行く
おさがりの思い出
耳と波上風景
がじまるの木
不沈母艦沖縄
基地日本
沖縄風景
島での話
正月と島
島
島からの風
弾を浴びた島
・第四章 戦争風刺
思辨
弾痕
夢を見る神
応召
かれの戦死
ねずみ
羊
雲の上
・第五章 歌になった詩
ものもらひの話
生活の柄
夜景
石
第一印象
玩具
会話
座蒲団
紙の上
結婚
深夜
告別式
鮪に鰯
歯車
貘
たぬき
頭をかかえる宇宙人
・小説三篇
詩人便所を洗う
詩人の結婚
詩人の一家
・年譜<山之口貘の生涯>
・娘より、そして、ファンより
沖縄県と父・など 山之口泉
ムコウノヒト 高田漣
貘の詩とお金 宇田智子