文・写真：岸本佐知子　版元：スイッチパブリッシング　Ｐ192　四六判ハードカバー　2020年12月刊 ある土地を踏みしめると、個人的な、かつての記憶がよみがえる。うれしかったこと、恥ずかしかった思い出、それは誰にも侵されることのない、その人だけのものだ。だからこの本は、生きる切実さがあり、うつくしい。 本書で岸本さんは、ある場所の手触りを確かめるため、そこに二回足を運んだ。わたしはそこに〈誠実〉を感じる。どこに行くかではなく、どのようにその場所と関わったのか。そうした抜き差しならない記憶をたくさん抱えながら、岸本さんは今日もテキストのあいだを浮遊する。 よい意味でとても裏切られる本です。 WEBSHOPにて『死ぬまでに行きたい海』をご購入いただいた方には、岸本さんにコメントを頂いた「岸本佐知子さんに聞いた、写真に関するQ&A」をお付けします。