new





SOLD OUT
著:谷川電話、戸田響子、小坂井大輔、寺井奈緒美、辻聡之、野口あや子、千種創一、惟任將彥、山川藍 装画:宮崎信恵(STOMACHACHE.) 版元:ELVIS PRESS P156 180㎜×105㎜ソフトカバー 2021年2月刊
愛知県にゆかりのある9人の歌人が、県内の様々な場所を思い詠んだ歌集。名所も、わたしだけが知っている場所も、ひとしく一瞬の光景が永遠へと留め置かれる。
内容:版元サイトより
今回のプロジェクトでは、愛知県に縁のある歌人に「ここ」(HERE)で生まれた歌を制作していただきました。今、「ここ」から見える、個々の感じる景色、感情。これらの短歌を通して、愛知の新しい見方や解釈が生まれることを楽しみにしています。
__
友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる(谷川電話)
人の減りゆくオフィスに残りパソコンはデジタル音の嗚咽をもらす(戸田響子)
大村知事と河村市長が肩を組む写真を魔除けのために持ってる(小坂井大輔)
お月さまだけは変わらず出迎えるすべて駐車場に変わっても(寺井奈緒美)
天国の気配に満ちて対岸のパン屋はパンを焼き尽くしたり(辻聡之)
爆音に罪のいざない、きよらなる反骨心が街を照らして(野口あや子)
動くのが蝶、動かないのが花ならばその絵はまったく花にあふれる(千種創一)
ヨガをするひとびとよこたはる安置されてゐるかのやうなしづけさ(惟任將彥)
一人ずつ体温により許されて大きな門をゆっくりくぐる(山川藍)