詩集 言葉のない世界
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詩集 言葉のない世界

¥2,200 税込

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著:田村隆一 栞:曽我部恵一 版元:港の人 P48 A5判ハードカバー 2021年4月刊 それは詩人のように、硬質な詩集である。田村隆一の第2詩集『言葉のない世界』を、昭森社版のオリジナルそのままに60年ぶりに新装復刊。若き胸に去来する思いを熱い言葉で捉えた名詩集。曽我部恵一による栞「ぼくらには詩が必要だ」つき。 ■目次 星野君のヒント 天使 帰途 開善寺の夕暮れ 雨の日の外科医のブルース 夏の光り 見えない木 保谷 西武園所感 言葉のない世界 ■本書より  帰途 言葉なんかおぼえるんじゃなかつた 言葉のない世界 意味が意味にならない世界に生きてたら どんなによかつたか あなたが美しい言葉に復讐されても そいつは ぼくとは無関係だ きみが静かな意味に血を流したところで そいつも無関係だ あなたのやさしい眼のなかにある涙 きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦 ぼくたちの世界にもし言葉がなかつたら ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか きみの一滴の血に この世界の夕暮れの ふるえるような夕焼けのひびきがあるか 言葉なんかおぼえるんじゃなかつた 日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる ぼくはきみの血のなかにたつたひとりで帰つてくる