忘却の野に春を想う
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忘却の野に春を想う

¥2,420 税込

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著:姜信子 山内明美 版元:白水社 P258 四六判仮フランス装 2022年1月刊 あかるさへと向かう近代社会の中で、周辺へと追いやられたものたち。〈敗者〉〈少数者〉へのまなざしから、我々の社会が抑圧してきたものを想い、考える。書簡を交わすあいだ、言葉にするのもつらい構図に、徐々に風穴が開けられていく。 【内容】*版元サイトより 朝鮮からのコメ難民の一族に生まれた作家の姜信子と、南三陸のコメ農家に生まれ、近代以降に東北が受けた抑圧の記憶と3・11で負った深い傷を見つめ続ける歴史社会学者・山内明美。 「“在日”とは近代世界の“難民”であり、奪われたままの存在」だと姜は言い、山内は「日本が植民地を失ったことで、元来コメづくりには向かない東北地方が矛盾を抱えながら穀倉地帯化された」と指摘し、それを「意識化できない奪われ」と表現する。 近代スポーツの祭典、東京五輪が近づくにつれ、震災の被災地の影も薄れ、「復興」の実質もあらわとなり、命がますますないがしろにされてゆく、その「近代」的状況に危機感を募らせた二人は、2018年冬、往復書簡をはじめた。明治150年を振り返り、周縁に追いやられ、弱く、忘れ去られようとしている者たちの声を掬い上げ、求心力に徹底的に抗いつつ。 近代の仕組みと思考、時間の堆積のなかで、私たちは何を忘れ、何を見失ってきたのか。 私たちが立っている場所とは、どのようなところなのか――。 足尾、アイヌ、辺野古、米軍のミサイル配備に反対する韓国の小さなソソンリ村など、奪われゆく土地を守ろうとする人の声、水俣や三陸の生業(なりわい)世界への眼差し、風土とつながる意志、存在を隠されてきたハンセン病患者、CP(脳性まひ)当事者の切実な声、相模原障害者施設殺傷事件の被告の過去とも未来とも命そのものとも切り離された価値観……。大きく耳をひらくことで「近代」の概念からはこぼれ落ちてしまう、大切なものに気づかされる。 復興による断絶、パンデミックによる分断を越えて、生のありかた、自分とつながる世界を一から捉え直し、つながりあいながら生きる道を探る、学びの多い一冊。