著:内澤旬子 版元:本の雑誌社 P256 A5変形判ハードカバー 2022年7月刊
ヤギのカヨは一頭だけのときは「半分人間のようになって私に依存してきた」が、家族を増やすにつれヤギの世界へと戻っていき「むしろ私がヤギの世界に引きずりこまれていった」という。すごくよくわかる。内澤さんとカヨが心を通わせ築いた関係。それは何物にも代え難い。
【内容】 *版元サイトより
J.R.ヒメネスの『プラテーロとわたし』に憧れ、小豆島でヤギと暮らしはじめた内澤さん。内澤さんの元にやってきたのは真っ白な雌のヤギで、内澤さんはカヨと名付け、ふたりの生活が始まりました。
庭先の雑草を食べてくれればと考えていたものの、カヨは食べる草をえり好み。内澤さんはカヨの様子をじっくり観察し、カヨが欲しているもの、あるいはどういうことが苦手なのか、深くコミニュケーションして参ります。
気づけば「どっちが飼い主?!」と笑われるほど世話をし、ともに時間を過ごしますが、内澤さんは「それでいいの」と。なぜなら「私もヤギになって、一緒に美味しい草を食べて、頭突きしあって、日向ぼっこして暮らしたい」と願っているのでした。
果たして内澤さんとカヨの暮らしは、どうなっていくのでしょうか──。動物文学の傑作が、ここに誕生です!
[目次]
Ⅰ
海辺の家 14
理由 18
カヨのルール 22
海への道 26
椿のフルコース 30
受容 34
カヨが人間? 私がヤギ? 38
我慢 42
頭突き 46
ドライブ 50
困惑 54
発情 58
逡巡 62
食べる是非 66
交配 70
懐妊 74
出産 78
初乳 82
月夜 86
乳飲み仔たち 90
海へ 94
別離 98
搾乳 102
偶然のチーズ 106
タメの友だち 110
II
移転と再会 116
チャメを救えるのか 120
とっても楽しそうじゃないか 124
巨大ヤギ舎 128
再会 132
改名 136
まさおのこと 140
慣れてください!! 144
産屋を建てる 148
家族 152
食べ物に追われる日々 156
〝同一処遇〟問題 160
たまたまのたま 164
それが玉太郎の生きる道 168
より弱い者へ 172
脱走 176
産むこと 180
カヨミルク 184
カヨ帝国 188
嫌な予感 192
別れ 196
去勢の悩み 200
去勢 204
去勢その後 208
奇妙な事件 212
ランクダウン 216
軽トラと魔女 220
ヤギの思春期 224
リーダーはカヨ 228
みんな元気ね? 232
あとがき
カヨと私とプラテーロ 237