著:オオヤミノル 版元:誠光社 P96 四六変形判仮フランス装 2023年2月刊
「美味しい」に決まった正解はなく、最後に残ったのは文体である。
豆を買うこと、ドリップすること、店でコーヒーを味わうこと……。すべての言葉に、語ったその人がいて、何かに触れたという実感が残る。
【内容】 *版元サイトより
野蛮なエスプリと高邁な屁理屈で語り尽くす、珈琲の技法、美味しいの境界線、喫茶店という文化。読むものを挑発し、苛立たせる、堂々巡りの「反=珈琲入門」。「ドリップなんてする必要ない」、「味には一点など存在せず「間」があるだけ」、「味なんか三流でもサービスがいいところを選ぶ」、「資本は常に「美味しさ」のた めに資本を投下するわけではない」、「お料理とか味とかって形而上と言われる世界と一緒で、複雑だからこそ素晴らしい」などなど、挑発的で、鮮やかなアフォリズム満載の独り語り。答えではなく思考を、誰かが決めた価値観ではなく、価値を共有するコミュニティを。コーヒーの本を装った思索の書。