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最相葉月/中井久夫 人と仕事

2,860円

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著:最相葉月 版元:みすず書房 P240 四六判ハードカバー 2023年8月刊 「患者とは、あるいは患者も含めて不幸な人とは、考え、考え、考え、考えている者」 著者は『セラピスト』以降も、中井の仕事と生涯を追いかけてきた。『中井久夫集』(全11巻)の大幅改稿をして書き上げた、いまだその言葉が読み継がれる精神科医の評伝。 【内容】 *版元サイトより ― 患者にはよく「実験精神」について語った。たとえば、「三日間家に戻ってみよう。三日間なら取り返しのつかないことにはならないだろう?」と提案する。そして、「途中でこれはいかんと思ったらさっさと帰っておいでなさい。まだ少し早いということがわかったから実験は成功さ」「実験に失敗なし」などと患者に告げた。絵や箱庭は患者のことばの添え木となった。 ― 「患者とは、あるいは患者も含めて不幸な人とは、考え、考え、考え、考えている者」であり、認知症の人も統合失調症の人もがん患者も、「考えに考えをつづけています」。 ― 誰もが病気になりうる存在であって、自分たちにも統合失調症の人たちが示す症状が一過性でも起きることはある。だから治療にあたっては症状よりも患者の健康な部分に光を当て、そこを広げていけばいい。慌てずに患者を見守っていなさい──。この疾病観はどれだけ医療者の意識を転換させ、患者やその家族を勇気づけただろうか。 われわれの世界に数々の知恵と言葉とヒントを遺し、2022年にこの世を去っていった精神科医・中井久夫。著者は『セラピスト』(新潮社、初版2014)以後も中井の聞き書きをつづけ、その生涯と仕事を追いかけてきた。 『中井久夫集』(全11巻)の「解説」を大幅に改稿して本書は成った。1960年代前半、精神科医誕生の前後からその死までを軸に、統合失調症やトラウマ研究はじめ医療とケア、膨大な執筆や翻訳、人との付き合いなどをつぶさに記す。詳細な年表付き。 本書カバー 中井久夫が神戸大学病院の新しい精神科病棟「清明寮」の設計に参与したときに描いたスケッチの一枚(1993年)。「清明寮1階。特記していない部屋は病室である。なお窓は天井まである」と、中井の説明がある。清明寮は1994年5月に完成した。 目次 第1章 二つの筆名――精神科医誕生 第2章 橋渡しことばとアンテナ問答――臨床作法 第3章 詩と真実 第4章 考える患者 第5章 災害と心のケア 第6章 いじめの政治学 第7章 災害とトラウマ 第8章 有機の人 第9章 地水火風になって 第10章 認知症と長いたそがれ 第11章 グッド・ドクター ヒュブリスの罪と十字架――追悼・中井久夫 注 年表 あとがき

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