著:政木哲也 版元:学芸出版社 P192 A5判ソフトカバー 2023年8月刊
書店の神もまた、細部に宿る。棚の高さ、通路幅、レジやカフェをどこに配置するか、その大きさはどうかなど、店を作り込んでいく際の、その場で誘発された思考が、「実寸」という数字になって表れる。全国44ヶ所の本のある空間、その寸法。よい意味での狂気。
【目次】 *版元サイトより
はじめに
○東北・関東甲信越
青森県 まわりみち文庫|飲み屋小路にひっそりと積まれた木箱書架
新潟県 今時書店|現役高校生がデザインした書籍との対話空間
宮城県 book cafe 火星の庭|ひとりでいる人に寄り添う、都市のシェルター的本棚
栃木県 BOOK FOREST 森百貨店|地元の子どもと世界をつなぐ絵本のブックツリー
群馬県 REBEL BOOKS|デザイナー店主がつくりあげたブルーグレーのローカル基地
東京都 気流舎|2間角のシュタイナー建築はカウンターカルチャーの聖地
東京都 Readin’ Writin’ BOOKSTORE|40㎡の巨大壁面書架を見下ろすまちの奥座敷
東京都 Title|本が主となった民家の9m書架&隠れ家カフェ
東京都 COW BOOKS|ステンレスの内装の中で熟成された古書のある居場所
長野県 栞日|書物が発するメッセージを拡声させるアップサイクル書架
長野県 遊歴書房|門前町の一角で時空を超える、世界地図を体現したギャラリー型書架
*Column1 2時間1本勝負の「実測」
○北陸・東海・近畿
富山県 ひらすま書房|旧郵便局のタイムレスな空間が引き寄せる古書と人の縁
石川県 オヨヨ書林 新竪町店|ぼんやりのんびり本を探せる大うなぎの寝床
石川県 石引パブリック|美大生たちの目を奪う巨大書架のビジュアルブック
静岡県 ひみつの本屋|私的に本と出会う、元映画館のチケットブース
静岡県 みんなの図書館さんかく|一箱本棚でつくる駅前商店街の溜まり場
静岡県 フェイヴァリットブックスL|友だちの家に擬態した本好きの楽園
愛知県 TOUTEN BOOKSTORE|カフェバーカウンターは奥に伸びる書架への入口
三重県 トンガ坂文庫|漁村でつくりあげた本のある暮らしとポップな異世界
三重県 USED BOOK BOX|内法80㎝四方の極小図書館
大阪府 toi books|都会の5坪空間に光る54のインデックス棚
大阪府 居留守文庫|増殖しつづける木箱で埋め尽くされた本の迷宮
大阪府 LVDB BOOKS|長屋を貫く鋼管足場書架と静けさをまとう書物たち
京都府 誠光社|6枚の袖壁がつくるほどよい没入感
京都府 ba hutte.|極薄敷地から通りに滲み出す超私的選書空間
奈良県 とほん|商店街に新風を吹き込む軽やかな角材ストラクチャー
奈良県 人文系私設図書館ルチャ・リブロ|辺境でこそ出会える1冊が待つ、山中の開架閲覧室
和歌山県 本屋プラグ|椅子も机も書架になる、自由奔放な居心地
*Column2 「作図」は孤独な作業
○中国・四国
岡山県 蟲文庫|美観地区の古民家で交錯する店主の世界と本の世界
岡山県 451BOOKS|シンボリックな螺旋階段で巡る書架のキューブ
広島県 弐拾dB|深夜の元医院建築で本に没入する催眠的読書体験
広島県 READAN DEAT|レトロビルの佇まいを再編集した3つの小空間
鳥取県 汽水空港|セルフビルドで変化しつづける湖畔の書店小屋
島根県 artos Book Store|もの・人・音楽を本でつなぐ交易空間の配置計画
山口県 ロバの本屋|バイタリティとユーモアで山奥の元牛舎をセルフリノベ
香川県 本屋ルヌガンガ|大階段から棚板まで、本と目が合う一瞬を設計する
香川県 へちま文庫|本を引き立てる家具と読みたくなる風景
愛媛県 書房ドミンゴ|駄菓子屋的な距離感で近所の子どもの好奇心をかきたてる
*Column3 本のある空間とまちの関係
○九州・沖縄
福岡県 MINOU BOOKS|本との出会いを誘発する賑やかな窓際書架
福岡県 ナツメ書店|元時計店の意匠と呼応する精緻な配架計画
熊本県 橙書店|ひしめく本と人との遭遇を静かに見守るカウンター
鹿児島県 古書リゼット|ビルの共用部を書店空間とした本箱のパッサージュ
沖縄県 市場の古本屋 ウララ|つい足を止めてしまう、通りにはみ出た個性派本棚
全国 BOOK TRUCK|フェスから団地まで、出会いを詰め込んで走る移動書店
*Column4 予定調和ではない本との出会い
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おわりに