著:くどうれいん 東直子 装画:植松しんこ 版元:左右社 P144 四六変形判ハードカバー 2023年12月刊
街にはこうした歌の魂が漂っているのではないか。そう思わせる、短歌と散文で紡いだ、ふたりの歌物語。いまを生きるヴィヴィッドな存在「みつき」と、遍在する意識のような「ミメイ」。そのどちらとも、この世界にはあるに違いないから、人は恋しくなる。
【内容】 *版元サイトより
垂直のガラスを蛸があるいてる雨つよくふる都市のどこかに(東直子)
柳の葉は撫でることしかできなくて小川の街でだれを愛すの(くどうれいん)
結婚を打診されるも、かつての恋人の存在が心にひっかかり、素直に喜べないみつき。
同じ街を浮遊しながら思考する謎の存在・ミメイ。
ひとつの街にふたつの意識が浮かび上がり、淡く交信しながら進む物語。
目次
1 雨つよくふる都市のどこかに
2 なんでもつがい
3 どこにも戻るつもりはないな
4 Choice is yours
5 必ず君のいる夏の