著:石川美子 版元:ベルリブロ P288 四六判ハードカバー 2023年11月刊
読むというか、その文字を見る。それだけで読む者の気持ちをしんとさせ、香り高さを感じさせずにはいられない文章がある。これは何だろうなと思うけど、そのように人生を記述することだってできるのだ。山と本を愛する人の言葉。それはやはり美しい。
【内容】 *版元サイトより
山を見つめ人と本を見つめる書き下ろしエッセイ集。パリ、アヴィニョン、シャモニー、グルノーブル、などの場所。ラスキン、デュマ、スタンダール、永井荷風、幸田文、須賀敦子、などの文章。深い外国体験と東西文学の素養に裏打ちされ、ゆくりなく想起される過去の風景や言葉をきっかけに、人生の美しさと哀しみが綴られる。読み返すたびに静かな感動と新しい発見がある十一の物語。
目次
遠い記憶の引きだし
ラスキンの石の隠れ場
セザンヌの山とミヨー家の庭
沈黙の修道院と黒い鳥
デュマの熊のステーキ
シャモニーの裏山のフキ
白いアルヴ川と荷風の物語
名前とは最後のため息
故郷の山に帰るスタンダール
山を生きる人たちの言葉
静かな背中の山と本