著:山内明美 版元:青土社 P296 四六判ソフトカバー 2024年3月刊
近代に伴う痛みは、いつも周縁の土地にその傷を噴出させる。水俣から東北、広くいま行われているジェノサイドも同じ流れに属するだろう。この世界どこにも〈東北〉が遍在する。あの日をとば口に書き続けられた、〈東北〉をめぐる思考。
【内容】 *版元サイトより
三陸の漁師たちの声、「外国人花嫁」たちの声、そして石牟礼道子や宮沢賢治、森崎和江らの声が響き合い、時空を超えて〈東北〉の実相を浮かび上がらせる。
東日本大震災の直後から今に至る軌跡が綴られる、歴史の声のかたち。
[目次]
はじめに 足元のジェノサイドを掘り起こすとき
南三陸〈感情島〉
南三陸〈感情島〉――海と生きる
〈東北〉が、はじまりの場所になればいい
ポスト311課題先進地から考える、もうひとつの社会構想
精神の離散と祈り
苦海浄土と三月一一日の祈り
自感する宇宙
明日なき《世界》——つぎつぎとなりゆく犠牲
東日本大震災からの一〇年目 そして︑関東大震災から九八年目に 185
共時的記憶の《世界》
女性視点から考える〈三陸世界〉
〈三陸世界〉に生きるということを学ぶ
日本型複合差別-試論――核をめぐるインターセクショナリティ
無名の思想――森崎和江のさいはて
水俣病事件一〇〇年目に、〈東北〉から
あとがき