著:宇田智子 版元:ボーダーインク P248 四六判ソフトカバー 2024年5月刊
『那覇の市場で古本屋』から11年。日本一狭い古本屋だったウララはすこし広くなり、目の前にある市場も建物が変わったが、店は変わらずそこにある。いつも座っているその椅子から、今日も彼女は世界を見ている。
【内容】 *版元サイトより
沖縄那覇の「市場の古本屋ウララ」店主・宇田智子エッセイ最新刊
あれからいろいろありました。
市場の引越、アーケードの建替、コロナ禍……。
それでも続く市場の日々。
「いまから五十年よ」
つまり私が九十歳まで。
市場ではありえない
年齢ではない。
明日もすこやかに、
四・五坪の帳場で店番中。
本のこと、市場のこと、アーケードのこと、お客さんとのやりとり、忘れられない風景、そんな日々をたんたんと、ときにさざ波を感じながら綴る、あれからとこれから。
●目次
あれから
Ⅰ 屋上から市場を眺める
モモとミミコ 市場を歩く 空港へ 目と口と耳
くせ字 ウンメイ 鰹節を削る 屋上から青空
バスと台風 運ばれる本 ボート遊び かわいい
Ⅱ なにがおこるかわからなかった
一世一代の パリと那覇 棚やタンス 市場ロス
当事者になる 本部町営市場 公設市場解体 アーケード撤去
言葉は残る おうち 天妃前饅頭 いまから五十年
隣の人は前の人 復興の槌音 幻の市場 「シャッター通り」
読書の秋 均一本のたのしさ 佐良浜の椅子
Ⅲ それでもつづく市場の日々
二重のまち 市場の魔術師 ホタル、花壇、逃亡犯
屋根のあるところ 地層が見たい 日傘が守るもの
町の記憶 時間の遠近 消えたパラソル 待たせてほしい
究極の郷土出版 席替え 耳栓 やさしい屋根
三年九か月三日 おかえりなさい、公設市場
つくりつけの木の台
Ⅳ オフ・ビート・ウララ 二〇二二年十月~二〇二四年一月
なべ/三年ぶり/往復はがき/三十九の春 /るるぶ /遠いところ
第二外国語/シャッターの鍵/クラリネット/貼紙 /大道芸
おやすみなさい、おつきさま/田芋チョコバーガー /シャッター棒
けなげ/犀星にかぶれる/すべる台車/あいだの壁/あかり
詩集/浦崎漬物店/コレクション/気配/船旅/隣の島
波の音/ハワイ/チャコペン/クルルンシー/船長/布
四国/琉球銀行のあたり/サウナ/百貨店/白い斑点
かさだて/私たち/左開き/ふたり連れ/富士山/古い本
三度め/涼しさ/島ぞうり/トイレで読む本/寝るまえに/
もしも/のぼり/誤解/カメジロー/買い出し/大仏建立
よふけ/私語
これから