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月永理絵/酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる

2,200円

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著:月永理絵 版元:春陽堂書店 P312 四六判ソフトカバー 2024年6月刊 その映画には、はたして何が映っていたのか? 目に焼きついて離れないシーン、それがお酒や食のシーンだとなおよし。そうした実体を伴った映画体験を書いたコラム集。インクや後ろの初出や索引の紙が、どこか『映画横丁』を思い出させる。 【内容】 *版元サイトより なにかを 飲まず/食べず にはいられない~キッチンに駆け込みたくなる映画を集めました。 小津安二郎『晩春』から『セックス・アンド・ザ・シティ』まで、新旧国内外の作品200本が登場・索引付き。 「何かに心を奪われ、それしか目に入らないくらいうっとりと見惚れてしまうことを「酔う」というならば、この本に登場する映画はどれも、私を酔わせ、未知の世界へと連れていってくれたものだ。」 【目次】 一杯のビールの泡から始まる物語 第1章 お酒で酔わせる映画 ◉酔いの快楽  ゆらゆらと流れゆくワインのように(オタール・イオセリアーニ『落葉』)  飲んだくれの恋人たちによる最高の酒場映画(バーベット・シュローダー『バーフライ』)  西部の男たちの酒と食(ハワード・ホークス『リオ・ブラボー』)他  韓国焼酎から白酒へ(ホン・サンス『あなたの顔の前に』)  ヴァカンスとシードルは甘くない(ジャック・ロジエ『オルエットの方へ』)他  りんご酒をめぐるキツネたちの戦い(ウェス・アンダーソン『ファンタスティック Mr・FOX』)  悪魔でも救世主でもない「酒」を描く(トマス・ヴィンターベア『アナザーラウンド』) ◉不吉な酔い  そのグラスに口をつけたら地獄行き(ジョン・フォード『果てなき船路』)  増村映画と葡萄酒(増村保造『妻は告白する』)  飲むことを許されなかった酒が死を呼び寄せる(アキ・カウリスマキ『マッチ工場の少女』)  断酒会の風景(ガス・ヴァン・サント『ドント・ウォーリー』)  ビールを飲む女たち(ロバート・アルトマン『三人の女』)  ビールを飲む男たち(クリント・イーストウッド『グラン・トリノ』)他  追い詰められた者たちには日本酒がよく似合う(山中貞雄『人情紙風船』) ◉女が酒を飲むこと  彼女は物語を背負わずに酒を飲みつづける(ウルリケ・オッティンガー『アル中女の肖像』)  酒を片手に、女たちはしゃべりつづける(マイケル・パトリック・キング『セックス・アンド・ザ・シティ』)  生ぬるいビールと共に(バーバラ・ローデン『WANDA/ワンダ』)  日本酒の似合う女たち(成瀬巳喜男『流れる』)他  ホン・サンス映画の人々はもう韓国焼酎を飲まない(ホン・サンス『小説家の映画』)  ウイスキーとジーナ・ローランズ(ジョン・カサヴェテス『オープニング・ナイト』) [映画リスト]酒場映画―一度は行ってみたいあの酒場 第2章 りんごと映画の酔わせる関係 ◉りんごを齧るとき  悪い男たちは本当にりんごを齧るのか?(レオス・カラックス『アネット』)  悲しむ者はりんごを丸ごと食べつくす(ビー・ガン『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』)  不貞腐れた顔の女たち(大九明子『美人が婚活してみたら』)他  青年が真実と向き合うとき(青山真治『東京公園』) ◉りんごが象徴するものは何?  「りんごを磨く人」とは誰のこと?(ガス・ヴァン・サント『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』)  大人と子どもの友情を紡ぐもの(ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』)  少年が選んだ最高のクリスマス・プレゼント(チャールズ・ロートン『狩人の夜』)  善と悪との間を彷徨う男たち(アナス・トマス・イェンセン『アダムズ・アップル』)  禁断の果実が導くロマンティックコメディ(プレストン・スタージェス『レディ・イヴ』)  真っ赤な靴と赤い唇の女の子(ヴィクター・フレミング『オズの魔法使』)他  笠智衆はひとり、りんごの皮を剝く(小津安二郎『晩春』) ◉りんごを愛する者たち  ラブコメの女王はりんごがお好き?(ロブ・ライナー『恋人たちの予感』)他  「りんごの画家」セザンヌと作家ゾラの友情を紡いだもの(ダニエル・トンプソン『セザンヌと過ごした時間』)  少女は自分だけの言葉を獲得する(横浜聡子『いとみち』)  女たちはおしゃべりをし、りんごを食べる(ホン・サンス『逃げた女』) ◉りんごは隠せない  西部の早撃ちガンマンが撃ち落とすものとは(セルジオ・レオーネ『夕陽のガンマン』)他  傷ついた大人たちの旅はどこまでも続いく(マチュー・アマルリック『さすらいの女神たち』)  部屋のなかに隠された三つのシンボル(ペドロ・アルモドバル『抱擁のかけら』)  りんごを食べる男の喪失と再生の物語(クリストス・ニク『林檎とポラロイド』) [映画リスト]赤と緑の映画―りんごが喚起する二つの色 第3章 酔わずに食べたい映画  悪い男たちの食事風景(マーティン・スコセッシ『グッドフェローズ』)他  食べることの幸福を思い出す最後の晩餐(リチャード・フライシャー『ソイレント・グリーン』)  家事と労働と(シャンタル・アケルマン『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080 コメルス河畔通り 23番地』)  パン生地を捏ねる人々(オフィル・ラウル・グレイザー『彼が愛したケーキ職人』)  白玉団子が招いた夫の帰還(黒沢清『岸辺の旅』)  おとぎ話の甘いケーキがもたらすもの(ジャック・ドゥミ『ロバと王女』) [映画リスト]おつまみ映画―日本映画に見る美味しい酒の肴 あとがき 初出一覧 索引(人名/作品)

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