new
SOLD OUT
著:斎藤真理子 版元:編集グループSURE P160 四六判ソフトカバー 2024年10月刊
いま質も量も花開いたように見える、朝鮮半島の文学。しかし長年それを支えたのは、在日コリアンの翻訳者たちだった。故国を離れても失われることのなかった、彼らの文学に対する情熱を追い、翻訳という仕事の実際を探る。
【内容】 *版元サイトより
故国・朝鮮を離れ、日本に居を定めた在日コリアンたち。
なぜ彼らは故国の文学の翻訳に、これほどの情熱を注いだか?
斎藤真理子さんは、21世紀の日本で、文学作品のすぐれた読み手としても知られる朝鮮語翻訳のフロントランナーです。
斎藤さんによれば、1945年、日本の敗戦に伴う植民地・朝鮮の解放後、その地で生まれた文学作品の日本への紹介をリードしてきたのは、在日コリアンの翻訳者たちなのだそうです。故国を離れて生きる彼らが、なぜ、これらの作品の翻訳に熱意を傾けつづけたか? このこと自体にも、朝鮮半島の文学の伝統を形づくる特質がありそうです。
これら翻訳者のなかには、『朝鮮詩集』編訳などで知られ、両国を往来しながら生きた天才的な翻訳者・金素雲(キムソウン)、多彩で旺盛な訳業を持続した安宇植(アンウシク)ら、高名な人たちも含まれています。ですが、さらにずっと多くの埋もれかけた翻訳者たち、それら一人ひとりから成る群像が、ここでは、より尊い存在として浮き上がってきます。
翻訳者の役割という、ともすると忘れられがちな先人たちの仕事に目を注ぎ、発掘に力を尽くした、斎藤さんのセミナー形式による講義です。聞き手には、朝鮮近代史家の水野直樹さん(『創氏改名』岩波新書など)らに加わっていただきました。
類書のない、刮目の一冊です。