


著:髙倉美恵 版元:忘羊社 P264 四六判ソフトカバー 2025年1月刊
本書は脳梗塞で倒れ、全身マヒとなった夫を介護する妻の介護録……なんだけど、大変さを感じさせない前向きな笑いがあって、終始面白い。文字盤や視線でもコミュニケーションは可能で、そこに互いのナマな人格が溢れ出る。マンガと文章で綴る、怒涛の10年の記録。
【内容】 *出版社ウェブサイトより
脳梗塞で倒れ全身マヒとなった夫を
自宅で24時間介護すると決意した元書店員。
オロオロしつつ学んだケアの基本から介護生活の困り事、
わかりづらい医療制度、大切なお金の話まで、
怒濤でトホホな日々を綴った、マンガ&介護録。
◎本書「あとがきにかえて」より
「これは、おおむねダメな感じで生きてきた人間が、49歳のときに、夫が全身マヒになるという大事件に遭遇し、人間的に成長し困難を乗り越えた、とかいう話ではない。思ってもみない出来事の連続に、その都度、ダメなりになんとかやってきた記録だ。…絶望的なことが起こったからと言って、側にいる家族全員がずっと絶望してるワケにもいかないのだ。当時、子らは高校1年生と中学1年生だった。帰りたくない家にだけはしたくない。…明るく楽しげにしてる、という一点突破でやろうと決意した。てかそれしかできない。ただ、それだけは何とかやってこれたのではないかと思う。ときにそのヘラヘラ加減が、夫の絶望を深くしたこともあったかもしれないが、そこは子ら優先である。大人には、自分の機嫌は自分でとってもらいたい。そして、ただでは転ばねえぞ、とばかりに日々のことを綴ったのが本書である。」(「あとがきにかえて」より)