




著:木村衣有子 版元:BOOKNERD P160 四六変形判ペーパーバック装 2025年5月刊
いつ頃からか、世に「白っぽい」雑貨が増えてきて、この現象を何と呼べばよいのだろうと思っていたころ、それに「言葉」を与えてくれたのが、雑誌『ku:nel』だった。「ていねいな暮らし」「スローライフ」……何と言っても構わないが、雑誌は少し前から存在していたあたらしいライフスタイルにストーリーを与え、その後多くのフォロワーを生んだ。ひとつの文化をつくった、最後の雑誌と言ってもよいのではないか。
かつて恵文社一条寺店で、料理と生活書の棚を担当し、「カフェ」という場の可能性にもいち早く着目した木村衣有子さんが振り返る、クウネルとその文化圏。あまり文章化されることのなかった時代を検証する、貴重な一冊である。
【内容】 *出版社ウェブサイトより
さよなら、雑誌文化。 ハロー、SNS。
レシピ本。住居。生活。食。モノとの距離。スローライフ。ていねいなくらし。家事。フェミニズム。ジェンダー。読んでいた人たちの、生き方の変遷。
平成から令和へ。
文筆家・木村衣有子がひとつの時代の分水嶺を、雑誌『クウネル』とともに総括する。
文化論のようでいて、極私的な手触りの、ファンタジーと現実を行き来するクウネルと雑誌文化への濃厚なオマージュ。